大英博物館のローマコイン
大英博物館
大英博物館は1753年設立の世界最古の博物館です。7つの海を支配した大英帝国の誇る博物館ですから、世界中の歴史遺産が収蔵されています。大英博物館にはローマコインも沢山展示されています。
大英博物館には貨幣のセクションがありますが、ローマコインの展示は貨幣の部屋以外でも行われています。以下に、私が2003年の1月に大英博物館で見つけたローマコインのことを書いてみます。メモの書き間違えや勘違いもあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
また、大英博物館では写真撮影は許されていますが、Webを含めて公開不可となっており、ここに載せることは大英博物館の許諾条件に反すると思われます。(大英博物館発行のパンフレットに明記してありました。残念。;_;)
1.貨幣の部屋
古代から現代までの貨幣の発展の歴史を大英博物館の収蔵物で紹介しています。
- Money for a purpose 70枚くらい
プロパガンダなどの目的をもったコインの紹介。
- The Spread of Standards 70枚くらい
ローマ帝国内のいろいろな地域のコイン、ミントマークの説明もあった
- Money in trade 20枚くらい
ローマ時代の物価をコインで説明するものや、贋金の型、デノミネーション(通貨単位)の説明などがあった。
インドで見つかったアウレウス金貨やアウレウス金貨のインドでのコピーなどは特に興味深いと思った。
- The Engraver's Art 30枚
芸術的な肖像などの紹介。以前に掲示板で話題になっていたローマ時代のオルガンのContorniateもここにある。
- Please Touch 23枚
大英博物館の係の人が「おいでおいで」をしていて、古代や中世のコインに触らせてくれる。ローマのものはドミティアヌスのアウレウス金貨をはじめとして23枚あった。(係の人がいないときはこのコーナーは無い)
- Hoard of 126 Roman aurei from Didcot,Oxfordshire
(大英博物館のページへ)
マルクス・アウレリウス帝時代に埋められたらしい126枚の金貨を無造作に散らばらせている迫力たっぷりの展示。
ざっとみただけで、
トラヤヌス、
ハドリアヌス、
ウェスパシアヌス、
アントニヌス・ピウス、
サビナ、
ネロ、
ファウスティーナ(大)、
ドミティアヌス、
プロティナの肖像が見つけられた。
ティトス
とドミティアヌスが裏面に描かれたアウレウス金貨もあった(相当高いはず)。
2.ギリシャ・ローマの部屋
大英博物館の他の展示物と一緒にコインも展示されています。
- The Roman Imperial Coin System 58枚
ネロ時代のものから、ディオクレティアヌスのリフォームまで
- The Beaurains Hoard 金貨25枚、銀貨3枚
3世紀末から4世紀初のもの
- Coins minted in Africa during periods of Civil War 10枚
- Gold coins of African emperor Septimius Severus 5枚
- Coins from the late Roman mint at Carthage 2枚
- Lyonミントのものを時代順に 30枚
- Coins illustrating the German Wars 29枚
- Coins showing emperors linkened to gods 6枚
- Coins showing emperors deified after their death 3枚
- Coins showing the emperor's religions role 3枚
- Coins showing scenes from the Saecular Games of AD 88 8枚
- Coins illustrating the cult of the emperor in the province 3枚
- Coins illustrating the Res Gestae 14枚
- Coins with a portrait of the young Octavian 3枚
- Coins of Octavian with the "Actium type" of portrait 3枚
- Coins of Augustus with "First Citizen" portrait 3枚
- Buildings and monuments on coins minted in Rome 11枚(トラヤヌス記念柱もあった)
- Coins depicing the foundation legend of Rome 4枚
- The Wolf and the Twins 4枚
- Coins of Republican Rome and Italy 70枚くらい
この中には Aes Grave や Aes Signatum も展示されていた。Aes Signatum の実物は初めて見たが大きさに圧倒された。
BC220年とBC215年のAs銅貨が並べられていて、小さくなっているのがよく分かる展示がされていた。
(大英博物館の Aes Signatum のページへ)
- Water Supply 2枚
3.ローマンブリテンの部屋
大英博物館中で最も多くのローマ時代のコインが展示されている部屋です。あまりに多くてちゃんとメモするのをあきらめてしまいました。(^^;)
- The Snettisham Jeweller's Hoard
(大英博物館のページへ)
83枚の素晴らしく美しいデナリウス銀貨と27枚の銅貨(セステルティウスが多い)
- The Bredger Hoard
37枚のアウレウス金貨(クラウディウス時代のものが多いように見えた)
- Hoxne the coins 300枚以上
(大英博物館のページへ)
- Coinage in Roman Britain AD 200 - about 400 100枚くらい
- Coinage in Roman Britain AD 43 - 200 200枚くらい
大英博物館の Web Page
大英博物館の Web Page は http://www.thebritishmuseum.ac.uk/ である。
その中に Compass というのがあり、大英博物館の収蔵物のうち Web で公開されているものを検索することができる。ただし、本文のテキスト検索らしく、例えば roman coin で検索した場合、説明文に roman と coin が含まれればローマコイン以外も表示されることになる。
また、Compass は大英博物館の収蔵品のうち約 5000 を選んでデータベース化したものであり、すべての収蔵品を網羅してはいない。(大英博物館の全収蔵品を公開できればすごいだろうが、それをするには大英博物館の収蔵品は多すぎるだろうと思われる。)