ウァレリアヌス ( AD253 - AD260 )
Antoninianus
21.5mm, 2.95g
AD253 - AD260 , Rome
表:ウァレリアヌス 裏:フィデス(信頼の女神)
ウァレリアヌス帝は即位してまもなく、息子
ガリエヌス
を共治帝とし西方の統治をまかせ、 自らは東方を担当した。255年からペルシャ遠征に着手し、257年には対ペルシャ戦勝利を記念した貨幣を発行している。 しかし、260年にペルシャ軍が攻めてきたとき、ローマ軍には疫病が流行しており、戦力が低下していた。ウァレリアヌスは エデッサでペルシャ軍に包囲されてしまい、交渉で事態を打開しようとする。「少数の供だけ連れて、本人が直接、話し合いに来い。」と いうペルシャ王シャープール1世の要求に応じた結果、ウァレリアヌスは捕虜にされ、その後の生涯を奴隷として送ることになる。 これは前代未聞の不祥事である。
いつ死んだかは定かではないが、おそらく屈辱の中でいじめぬかれて、死んだのであろう。
マリニアナ
Antoninianus
20.5mm, 3.05g
AD256 - AD257 , Rome
表:マリニアナ 裏:羽を広げた孔雀
ウァレリアヌスの妻。
彼が皇帝になる前か、あるいは直後に死亡している。そのため、 彼女のコインはすべて死後発行のものであり、"DIVAE MARINIANAE" の銘文を持つ。
古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)