ガルバ ( AD68-AD69 )
Denarius
20.4mm, 3.4g
AD68 - AD69
表:ガルバ 裏:ウィクトリア(勝利の女神)
68年3月にガリアで
ネロ
に対する反乱が発生したとき、ガルバはスペインのタラコネンシス属州の 総督であった。4月に皇帝宣言し、6月には元老院からも皇帝として承認される。しかし、 即位時に兵士たちに金をばらまくことをしなかったため、軍隊の支持は弱かった。
69年1月には
ウィテリウス
が反乱を起こす。 1月10日、支持基盤強化のために、名家の出身であるピソを養子に迎えるが、これは失敗であった。
1月15日、自分が後継者になれると思っていた
オト
が親衛隊を掌握して自らを皇帝と宣言させ、ガルバとピソは
オト
の軍隊によって殺害された。
ガルバは家柄もよく、臣下としては立派な人物であった。しかし、皇帝としては状況判断に甘さがあったのだろう。とりあえず、政権基盤を安定させるには軍隊の支持が不可欠であったのに、下賜金を配らなかった。また、養子縁組の相手を
オト
にしておけば後の
ネルウァ
のように賢帝の名を得たかもしれないが、実力不足のピソを養子にしてしまい、
オト
の裏切りを招いてしまった。
古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)