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2006年11月26日

ローマ人の物語 パクス・ロマーナ(上・中・下)

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上)
塩野 七生(著)
新潮社 (2004-10)
¥ 420
ISBN:978-4101181646
ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中)
塩野 七生(著)
新潮社 (2004-10)
¥ 420
ISBN:978-4101181653
ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下)
塩野 七生(著)
新潮社 (2004-10)
¥ 380
ISBN:978-4101181660

初代ローマ皇帝アウグストゥスの統治のうまさを描いた読み物。 カエサルのように性急ではなく、ゆっくりと着実に、そして反感を買わぬように権力を掌握していく様子がわかる。塩野氏はアウグストゥスを非常に高く評価しているようだ。

中に通貨改革と題された一節があり、アウグストゥスの貨幣改革の内容が極簡単にまとめられている。(括弧内は私の感想)
基本的には小説あるいは物語なので、書いてあることをそのまま信用せず、事実かどうかは別の本も調べるのが良いだろう。

投稿者 augustus : 13:48 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月23日

Ancient Coin Collecting III: The Roman World-Politics and Propaganda

Ancient Coin Collecting III: The Roman World-Politics and Propaganda
Wayne G. Sayles (著)
Krause Pubns Inc (1997-12-31)
¥ 3,772
ISBN:978-0873415330

ローマコイン収集に関する入門書。

最初の30ページほどで、銘文の読み方、造幣所の特定の仕方、発行時期の特定の仕方、貨幣の種類とその時代による変遷などローマコインの基本事項が簡潔にまとめられている。。
残りの部分の主たる内容は皇帝や簒奪者の事跡とそのコインの紹介である。本人だけでなく、その家族のコインも紹介されている。

ローマコインファンなら、Roman Coins and Their Values とともに持っていたい本である。

投稿者 augustus : 11:08 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月22日

Ancient Coin Collecting II: Numismatic Art of the Greek World

Ancient Coin Collecting II: Numismatic Art of the Greek World
Wayne G. Sayles (著)
Krause Pubns Inc (1997-03)
¥ 3,128
ISBN:978-0873415002

古代ギリシャコインの収集についての入門書。

スペイン、シチリア、南イタリア、小アジア、黒海沿岸などギリシャコインの強い影響を受けた地域も含めて地域や都市ごとの歴史とコインの紹介がされている。
また、コインに描かれている図象についても、多くのトピックが扱われており興味深い。

ローマコインも初期にはギリシャコインの強い影響を受けているので、ローマコインファンにとっても有益な本だと思う。

投稿者 augustus : 17:45 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月19日

Ancient Coin Collecting

Ancient Coin Collecting
Wayne G. Sayles(著)
Krause Pubns Inc (2003-06)
¥ 3,759
ISBN:978-0873495158

古代コインの収集についての入門本で、以下のような内容が書かれている。
古代コインを集めたいけど、何から始めてよいかわからない人にとって親切なガイドブックになっている。
第2巻以降も参考になるだろう。

Ancient Coin Collecting
Wayne G. Sayles(著)
Krause Pubns Inc (1996-06)
ISBN:978-0873414425
の改訂版。

投稿者 augustus : 15:24 | コメント (0) | トラックバック

「帝国」としての中期共和政ローマ

「帝国」としての中期共和政ローマ
比佐 篤(著)
晃洋書房 (2006-04)
¥ 3,780
ISBN:978-4771016989

中期共和政ローマが「都市国家」でありながら「帝国」としての特性を備えていった過程を明らかにしようとする論文集。

第1部で制度史を中心にしつつ、ローマがどのような意識をもって対外政策に臨んでいたのかを考察し、第2部で対外政策を担った個々の政治家たちが持っていたローマの対外政策全体とは異なる個々人の意図を主に扱っている。 大雑把に言うと中期共和政ローマでは対外政策よりもイタリア統治を重視していたが、個々人は対外戦争などで功績を挙げて立身に役立てたいという意識が強かったらしい。

第8章でQ・マルキウス・フィリップスという戦争による功績によらずに立身出世を成し遂げた元老院議員が紹介されている。その中で彼の子孫が発行した貨幣の図象がマケドニアを想起させるものであることを補強資料に挙げている。
コインの研究がこういうふうに役立っているのは興味深い。今後、ローマコインについて取り上げてくれる研究者がさらに増えていくことを期待したい。

投稿者 augustus : 14:21 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月05日

セネカ

セネカ
角田 幸彦(著)
清水書院 (2006-04)
¥ 893
ISBN:978-4389411862

皇帝ネロの最初の5年間の善政を指導したセネカの思想について、時代背景を含めて簡略に紹介した本。

いろいろな著作が紹介されているが、例えば『人生の短さについて』の主旨になっているのは、「世人が嘆く人生の短さは、実はひとの心の弛みから発せられるものであり、人生は十分長いということを納得させることである。人生の短さを託つのは、人生を随分と無駄に使っている証拠である。」ということだそうだ。
なるほどと思うところもあるが、管理人augustusは人生には無駄な部分も必要な気がする。

時代背景の解説については、セネカの生きた時代の厳しさを強調したいのか、ユリウス・クラウディウス朝の皇帝たちの悪逆非道ぶりがことさらに強調されている。ティベリウス帝が息子ドルゥススを殺させたなどといった間違った記述もあるので、割り引いて読む必要があるだろう。

投稿者 augustus : 10:12 | コメント (0) | トラックバック


古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)
古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)