« 2006年02月 | メイン | 2006年07月 »
2006年03月19日
ゲルマンとダキアの戦士―ローマと戦った人々
ゲルマンとダキアの戦士―ローマと戦った人々Peter Wilcox(著), Gerry A. Embleton(彩色画), 斉藤 潤子(翻訳)
新紀元社 (2001-05)
¥ 1,050
ISBN:978-4883178728
ゲルマン人と言えばローマ帝国末期の大移動が有名であるが、ローマは共和政の時代からゲルマン人と戦ってきた。AD9年にはトイトブルクでローマの3個軍団が全滅するなど、ゲルマン人はローマの強力な敵であった。
ダキアはトラヤヌス記念柱にその征服が描かれていることで有名である。
そんなゲルマン人とダキア人の戦士たちの装備服装などをわかりやすく解説した本である。オスプレイ社の他の本と同様に彩色画が美しく、見ていて楽しい。
投稿者 augustus : 19:34 | コメント (0) | トラックバック
2006年03月12日
キリスト教の興隆とローマ帝国
キリスト教の興隆とローマ帝国豊田 浩志(著)
南窓社 (1994-02)
¥ 8,155
ISBN:978-4816501302
3世紀後半のキリスト教勢力のローマ帝国支配階層への進出過程を論じたもの。
第1章、第2章は支配階級でのキリスト教徒の進出状況が論じられている。属州総督や元老院議員の階層ではキリスト教徒はあまり多くなかったようだ。元老院階級に次ぐ支配階級である騎士身分のキリスト教徒もそう多くはないが帝国東半分で増加していたらしい。また、第1章は3世紀後半が帝国支配に騎士身分が重用された時代であったことを教えてくれる。
第3章はとても興味深い。皇帝フィリップス・アラブスがキリスト教徒であったという説を紹介し、その当否を検討している。
第4章、第5章はウァレリアヌスとその子ガリエヌスの対キリスト教政策を論じている。両者の政策は一見対照的だが帝国東部の支配権確保という見方をするとわかりやすいらしい。
「目から鱗」という感じがするところや、「え。そんなことがあったの。」とびっくりしながらも面白く読めるところが多くあった。
特に第3章に少しだけ書かれているゴルディアヌス3世戦病死説がとても興味深い。普通、ゴルディアヌス3世は次の皇帝フィリップス・アラブスに無慈悲に殺されたとされているが、実はペルシャ軍との戦争で負った傷がもとでの戦病死なのだそうだ。詳しくは著者の別論文に書いてあるそうなので、いずれ読んでみたいと思っている。
目次
序章 「大迫害」直前のローマ帝国とキリスト教
第1章 帝国支配身分とキリスト教
第2章 紀元三、四世紀におけるキリスト教と帝国支配身分
第3章キリスト教皇帝フィッリップス・アラプス
第4章 皇帝ウァレリアヌスとキリスト教迫害
第5章 皇帝ガッリエヌスとキリスト教公認勅答令
終章 「キリスト教ローマ帝国」への道
投稿者 augustus : 08:43 | コメント (2) | トラックバック
2006年03月05日
アルバのアスカニオ
Mozart: Ascanio in AlbaWolfgang Amadeus Mozart(作曲),
Jacques Grimbert(指揮), Budapest Concerto Armonico 他
¥ 1,862
アスカニオは有名なアエネアスの息子で、アルバを建国した。ローマを建国したロムルスは彼の子孫である。
アルバ建国などの歴史的な話はほとんど含まれていなく、アスカニオとその許嫁を讃え、婚礼を祝う内容である。15歳のモーツァルトの作曲したオペラで、ハプスブルグ家の大公の婚礼祝いのために書かれた 。わずか15歳でこんなオペラを作ることが出来るとは、やはりモーツァルトは天才だ。
あらすじについては以下のページが参考になる。
http://www7.airnet.ne.jp/art/ez2/o/work/Ascanio/1.html