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ローマ人の物語 (20) 悪名高き皇帝たち[四]

ローマ人の物語 (20) 悪名高き皇帝たち[四]
塩野 七生(著)
新潮社 (2005-08)
¥ 460
ISBN:978-4101181707

おそらく全ローマ皇帝の中で最も有名なネロを扱った分冊。

ローマの大火の後、キリスト教徒を処刑したことからキリスト教会から憎まれ、その後2000年間悪名が轟いているのがネロである。義理の弟や実母を殺させたりするなどの悪行も弁解はできない。歌手としてステージに立ったり、首都を放っておいてギリシャに巡業に出かけたりといった為政者に相応しくない行為もあった。
著者はネロに同情的なようだ。母殺しもやむを得なかったように書くし、ローマの大火の後、ドムス・アウレアの建築を始めたのもネロ個人のためだけでなく、市民のためのものであったと説く。しかし、大ローマ帝国を統治するには、少々甘い判断力しか持っていなかったようだ。結局、ネロは見捨てられ自殺することになる。

巻末には詳細な年表があり、ティベリウスが皇帝の後継者になってからネロの死までが書かれている。

投稿者 augustus : 2005年09月23日 11:01

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古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)
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