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ローマ皇帝伝
ローマ皇帝伝 上スエトニウス(著), 國原 吉之助(翻訳)
岩波書店 (1986-08)
¥ 840
ISBN:978-4003344019
ローマ皇帝伝 下
スエトニウス(著), 國原 吉之助(翻訳)
岩波書店 (1986-09)
¥ 987
ISBN:978-4003344026
騎士階級出身のスエトニウスの2世紀初め頃の著作。
原題は De Vita Caesarum Libri VIII (カエサルたちの伝記八巻)で、共和政最後の英雄ユリウス・カエサルと、帝政を始めたアウグストゥス、そしてその後の10人の皇帝ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ガルバ、オト、ウィテリウス、ウェスパシアヌス、ティトス、ドミティアヌスの合計12人のカエサルたちを扱っている。ユリウス・カエサルからネロまではカエサルは家名だが、彼らと家系上のつながりの無いガルバ以降の皇帝もカエサルを名乗ったので、カエサルは皇帝の称号の一つに変化したと考えられる。だから、「カエサルたちの伝記」を「ローマ皇帝伝」と訳したのも納得できる。
内容は皇帝が個人的に関わった様々なことで、ゴシップや迷信深い記述も多く、タキトゥスに比べて信頼度は低いかもしれない。しかし、迷信深さも当時の人の気持ちを知る手がかりになるし、ゴシップもそういう話を人々が信ずるような背景があることを示す貴重な資料である。
"Twelve Caesars" という言い方を良く見かけるが、スエトニウスが皇帝伝で扱った12人のことを指している。
余計なお世話だが岩波文庫はしばしば品切れになる。お持ちでない方は早めに入手することをお勧めする。
投稿者 augustus : 2005年06月26日 18:52
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» 「ローマ皇帝伝」 from 書評ブログ Nerva.org
Author : May
「ローマ皇帝伝」(スエトニウス・岩波書店/岩波文庫青440-2)読破。
一応上下巻ありますので、ずいぶん前に読み終わった上... [続きを読む]
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